いもいもなにいも

おいものなんでもない日

蟹座のチャリオット

転職活動、(きのう)終わりました!!10月末退職からの11月から新しい会社です!!転職活動開始したのが8/2からなので三週間ちょいですね。応募書類出したのが8/12で、応募先全部お盆休みだったので、8/17から選考開始とみてもよい。……早くね!!!?火曜に最終面接受けて昨日内定もらって昨日上司に話して退職日確定して今日入社日確定しました。………早くね!!!!?!!!!?

 

で、タイミングよく今日有休だったので、もともと予定していた役所での手続き(難病医療費助成の更新など)を終えたらゆっくりできますね……と思ってたんですが、なんかぜんぜん忙しかった。確かに仕事は休みなのに。おかしいな。

朝一番に役所窓口で申請→不備なし一発OK→開店直後のスーパーで買い出し→帰宅して1時間昼寝→転職先からのメールで起きる(健康診断とか、会社行っての手続きとか、それまでに提出する書類とかの案内)→平日しっかり対応できるのが今日くらいなのでぜんぶ確認・記入・健診予約(さまざまな方向とのやりとりで数十分おきのメールを10往復くらいやる)(なんかのんびり昼寝ともいかなくて合間に漫画を読むなどする)→いつのまにか18時、さて夕飯つくろかというところで昨夜活動終了連絡したキャリアエージェントから連絡・退会案内→やっと落ち着いたかと夕飯作って食べてるとこに父から10月の旅行の予約の件で連絡→なんやかんや予約済ませて20時→今湯船でぐったりしている(20時20分)

内定翌日の有休だぜ!!!?なんで!!!?いや、私がタスクを持ち越したくなさすぎて全て異常な早さで打ち返したせいもあるけどさ………つってたら今度は姉から連絡がきました。明日は5時半起きで仕事です。おかしいなあ!!!!忙しい!!!!!さすがに!!!!!

 

バタバタすぎワロタなんですけど、とにかく前には進んでいます!!!!早く辞めたすぎてボーナスもらわないで次いくからしばらくカツカツですけど!!!!またゆっくりいろいろ書きます。占いだいぶ当たっとってこれもワロタ。追い風として私から当てに行ったというのもあるが。

 

入ってみてまたどうなるかは、入ってみてまた考えます!!!!!!!!見守ってくれてた人たち、本当にありがとうございます。なんとかなったぜ。今夜はひとまず、なんとかなったぜのご報告までに。

シャッフル・シャッフル・シャッフル

・内視鏡検査の結果マジで腸きれいになっててやんの!!!!!!!!!えっじゃあこのお腹の不調と血液検査で残り続ける高めの炎症数値はなんなんですか???????これには先生も困り顔で、「寛解と言い切るにはまだ不安だね、腸はホラ(前回、前々回の爛れと腫れのはっきりわかる写真を見せてくれながら)今回きれいなんだけど……」と首を傾げ、こちらに向き直って「最近、ストレス溜まってる?」「はい、かなり…」「それだろうなあと思うな……一旦治療としては様子見しようか、とにかくゆっくり休んで…」とのこと。

ゆっくり休めるなら、たぶんこうはなってない。私が医師の「ストレス溜まってますか?」に対してこんなに食い気味に答えることってあんまりない(全部それで片付けられてしまって、大きい病気を見つけるのが遅れたことがそこそこある)が、つい口から出てしまったし、今ははっきりしている。この不調の原因の第一位は明らかに、仕事だ。

休職したときや、復職するとき、復職してからしばらくは「でも、ほとんどは仕事のせいじゃなくて(もっと慢性的に蓄積した悲しみとか失望とかそういうやつが疲労で消化不良を起こしているだけだと)……」と言い続けてきたが、もう限界だ。仕事のせいです、今回ばかりは。そういうことにしよう、私の背負っている真っ黒の岩たちのうち、私の行動によって大きく変えられるのは仕事しかないし、復職して一年ちょいの人間を毎月毎月20時間、30時間、40時間と残業させといて負荷の高いマニュアル作成やプロンプト作成を「そういうのは芝生さんが得意だから」と上乗せされ、評価Sを取り続けたところで還元はゼロ。その上倫理的にあんまり許せない方向に突っ走っている。もうダメです。さすがの私にだってわかる。もうダメだと。私が大好きだった職場と仕事は、変わり果ててしまった。愛し合っている人間どうしだってダメになるのだ、仕事だってそういうこともあるさね。

 

・で、前々から後輩ちゃん(ややこしいので今回だけ注釈しますがこの子は私の学生時代のバイトの後輩ちゃんであって、私の職場とは一切関係がありません)に「占い行ってみませんか」と誘われていたので、今日!ガチ占いに行ってきました。後輩ちゃんとは時間だけ合わせてそれぞれ別の占い師さんを指名し、あとで話せることはおしゃべりしよう、という感じで。同席とかもできるかもしれないがよくわからなかったし、それぞれ知った仲だからこそ話しにくいこともあるでしょうということで。

今回これ以降はこの占いの記録を書いていきます。あとから見返したらおもろいと思うから。

私はもともとそこそこスピ側の人間(エンタメとしての占いも大好きだし、自分でタロットすることもあるし、クロウカード占いとDr.リンにきいてみてで女児としての方向性を決められたし、神社仏閣に立ち寄るのが好きだし)なので、まあそれを加味していただければ。当初のスタンスとしては、「どっちにしろ、言われたことに対して自分が何を思うか(同意するか反発するか)で自分のめざす方向がはっきりするといいな」「この状態になっちゃったらもう最終的には誰に何言われてもやりたいようにするのが自分だとわかっているので、そうする」という感じでした。

 

・私から開示した情報:名前、生年月日、現職の内容、いつから働いているか、休職と体調について、実家との物理的&心理的距離、祖父の死と主治医の急逝によりプライベートの精神的負荷が上がっている自覚はある、自覚としての仕事の現状

・聞きたいこととして伝えたこと:「転職すべきか、もう少しここで耐えるべきかをメインに、この先の人生のアドバイス」

・結果(ざっくり):「もう次探し始めていい」「決まってから会社に伝えて、年末くらいまでには辞めて来年の春ぐらいまでに働き始める(2ヶ月くらいブランクとる)のがベスト」「今の職場にはめちゃくちゃ引き留められるけど、残らない方がいい」「おすすめの職種は教育系、英語を使う仕事、海外に関する仕事だけど、人のことを優先しすぎるからカウンセラーはおすすめしない」「マジで自分を優先して、"先のことまで考えてしっかりやる"じゃなくて一旦今ココを本気で楽しむことを優先して(→それがいまのところの人生通の課題)」(なお、全てタロットでやってもらったので自分でもカードの意味はある程度わかる)

・ひとくち感想:心当たりしかなくて草 辞めま〜す‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

もちろんゴールドリーディング的な技術も使ってらっしゃるとは思うのだが、それにしたって耳が痛〜い&痛気持ちい〜い!!という感覚でした。先生は終始明るく優しく、キツいことは全然言われなかった。よかった。よう知らん人のキツい言葉、占いだとしても好きじゃないので。心のマッサージやね……お値段もまあマッサージ代(カウンセリング代)としてはかなり良心的だし、こりゃハマる人の気持ちがわかってしまうわ。今回は本当にフルで仕事のことを占ってもらいましたが、恋愛運とかもっと大きい人生のこととかも今回みたいに自分で考えあぐねたら見てもらってもおもろいかもしれない。ということで、今日の目的(自分の心を決める一助にしたい)はしっかり達成できました。満足!

このあとは順不同で印象に残ったことを。

 

・現状を見ていくスプレッドの真ん中に思いっきり「死神」の逆位置が出たので、先生(と呼ぶのが通例っぽいのでそうします)が話し始めるより先に内心ウケてしまった。このカードは逆位置だと「未練、このままじゃダメだとわかっていて動けない、しがらみを断ち切れない、苦しい状況を刷新するきっかけがあれば…という状態」などを意味します。なお、「死神」はナポリの男たちαの占い回で私の推しが選んだカードでもあります。やったぜ。私のは逆位置だが…。

・その後、「転職した先の未来」のど真ん中に「星」の正位置がこれまたバチッと出てきたのでこれまたウケました。これは「願いが叶う」みたいな意味があります。そのすぐそばに「カップの9」(ウィッシュカードと呼ばれます。これも願い叶う系のカード。)が出ておもろかった。でもこれは逆位置だったので、「完璧な成功ではないと感じる」も意味するかも?まあ先に星出たらこっちのもんやがなというもの。※先生はもっと優しく具体的に説明してくれました、これは私の素人知識による感想です

・アドバイス的なところで何度も何度も「ワンドの4」が出てくるのが印象的でした。これは「安定」「平和」「楽しいこと」「安心できること」などの意味のあるカード。"あなたはこれを追い求めてゆくといい"、というメッセージとして強く出ているそうな。波瀾万丈人生をそういうものとして耐えなくていいぞ、もっといいことあるよ〜!という感じと理解。例えば、条件や期日、計画に縛られて物事を決めるのではなく「やってみたい!」「気になる!」で動き出すのを意識するといいらしい。なるほど……!(どうしても体のこととかがあるのと「ちゃんとしなきゃ」の気持ちが強いから条件一番で探そうとしちゃうと思うけど、その前に一回「興味」「やってみたい仕事か」を優先して動いてみるといい、と言われ、ぎくりとした)

・「ぜんぶ一人で、一人きりでなんでもやれなきゃダメだと思ってる感じが強く出てるけど、そこにさらに『周りを優先しすぎる』も出てるから、めちゃくちゃ無理しちゃうでしょ…?」←ワイの長年の友達?&自覚はあります……

・「一人で自分のことも周りのこともなんでもできる人でいなくていいんだよ」ってここは強く言われて、その瞬間なぜかこの間亡くなった祖父の声が被って響いた気がして、ここはお恥ずかしながらほんと一瞬泣きそうになった 先生はお若い女性です 何?? いや、私に霊感とかはないので気のせいなんだけど でもたぶん祖父もおんなじこと言う 似たようなこと言われたことある 血族の中で祖父だけが私にこれを言ってくれた(今泣いてる)

・最後に、とメッセージが書いてあるオラクルカードを「ここから一枚選んで」と言われて選んだカードが33枚中3枚しかない「ミラクルカード」なる虹色のカードで、「あなたの望みが叶う時!」と書かれていてポジティブすぎてもう笑ってしまった あと3枚先生が合わせて引いてくれたカードは全部「『自分』に関するアドバイスが書かれた黄色の枠のカード」(他の色の枠だともっと他者に関するものだったりするっぽい)だったそうで、ここにきて全然ピンと来てない私に「ほら他のカード見て!これがこれだけ揃うってことはここでも『自分のことを優先して』というメッセージがすごく強いってことなんです」と力説してくれた。そういうのもあるのか。

・で、全然占いとは関係ない雑談パートで、主治医急逝につき通える病院を探している状態なのを知った先生が「別のお客さんで、すごくおすすめだって話してくれた病院があるの。こういうのはほんとに個人差があるけど、もしよかったら…」と教えてくれた病院が偶然にも自宅最寄り路線でめちゃくちゃ行きやすくて草でした。なんでだよ。いよいよ困ったら一回行ってみようと思います。メンタルクリニック探しの道が険しいことは知っているので、合わないなら合わないで仕方ないが、メンタルクリニックってネットのレビューがほんとにあてになんない(メンタルの病院なので、つまり、そういうこともある)から「行ってみる」しかないのだが、そのための目星をつけるのも大変という事情があり……。このパターンで全然合わなかったことも何回もあるので期待しすぎずにいくぜ。

・おすすめ職種のパートで「あっ…今の業界と被っちゃうけど…」と現職の業界もかなり合っていると気まずそうに言われ、「あっ今回は業界そのものは好きだったのでそれは大丈夫です(?)」と答えた時間、趣深かった。そうだよね、しんどくて転職したい人に同じ業界勧めるの気を使うよね。仕事は好きだったんだよ。好きなことやれて嬉しいと思っていた。少し前まで。

 

というかんじ!!!!いや〜面白かった。

転職ガン滑りする可能性は全然あるのですが、まあ辞めます!!!!!なお、親は「次決めなくていいからとにかく可及的速やかに辞めて一年くらい療養しろ」と言っています。ありがとうな!!!!でもだいぶ過保護と過干渉出てるよ!!!!!それがあなたたちの愛であることはわかってるけどもね。それも悪くないけど、自分が不安じゃないかたちでやってくよ〜。

転職成功の暁には後輩ちゃんが叙々苑で焼肉食べさせてくれるそうなので、それを楽しみにがんばるぞ!そのためにも腸は綺麗な状態をキープせねば。たのむわ。

明日からの仕事は1日ずつ線を遠くに引くイメージでやり過ごします。愛想つかした私の冷淡さをおみまいするぜ。

明日も病院

7月下旬!!!!!!!?!!!?!!!?

終わらないめちゃくちゃな日々を生き延び続けていたらこの有様ですわよ。生き延び続けていて、えらい!!!!!!!!!

本当に?

なんか書かないとパンクしそ〜〜と思って湯船で(一番身体が緩むので一番リラックスしやすい)小一時間歌ったり音楽に集中したり身を捩ったりしていたが表層のどうでもいいことしか浮かんでこねえ!ので、それをとりあえず書いておきます。生きているので。

 

・32歳になりました!!3週間とちょっと前に!!お祝いの言葉をくれた皆さん、ありがとうございました。当日は諸事情で己の心の一部を絶えず殺しながら過ごしていたので冗談じゃなく命綱でした。ありがとう。

 

・臨時で薬だけでももらえれば、と思ってかかった新しいメンクリがマジで「薬だけならいくらでもどうぞ」タイプの病院で草でした。わたしがODしたらどうするんですか!?しないけど!!身内が酷い目に遭ってるのを比喩でなくこの目で見てきたからなァ!!!!……薬はもらえるので、また合う病院を気長に探さんとなという感じです。ぜんぜん、このまま病院とかやめちゃっていっかーという感じではない。が、ほんまにそれどころでなし!!!!!

 

・労働。もはや「労役」に近い。日に日に己の倫理観と乖離した方向に走り続けるかつては天国のようだった弊社。ふくらみ続ける残業時間。増え続ける仕事。仕事。仕事。仕事。物理的にどうにもならなくなっている同僚を見て見ぬ振りできない悪い癖が暴れ回って、また人の数倍の仕事を人の半分の時間でやる羽目になっている。まだ鮮明なイマジナリー元主治医は、脳裏に浮かぶたびに神妙な顔をしている。「働く人にとってあんまりいい会社では……」。私は前職に見切りをつけた最後の一押しも「この倫理観の会社にはこれ以上いられない」だった女。今は忙しさで目を背けていられるが、自分がやっていることがひいては人の命を脅かすかもしれない、という恐怖にそのうち直面せずにはいられない。人の命も機嫌も関係ないこの仕事が好きだったのに。それを言い出すともう、この国にいること自体が苦痛ですらあるのだが、おれのこのからだとこころでは………。アジア人虚弱中年女性が1人でこの世界のどこへ飛び出して行けるというのか。行けたとて、何ができるというのか。悔しい。こういうときにもっと豪快に動けるはずだった自分、それに甘えてそれ以上の手札を揃えてこなかった自分、言い訳しながら現状維持にどこか安堵している自分、全てが。

 

・3日前に5回目?くらい?の大腸内視鏡検査でした。真夏の!!!!!!!!!大腸内視鏡検査は!!!!!!!!!!!やめておけ!!!!!!!!!!!!!!!!!!先月の私に会えたならこれを真っ先に伝えに行きます。夏ナメてんじゃねえぞ。3日前からの食事制限でしっかりバテたところに当日絶食からの数時間の水責め(下剤と水)で内臓からっぽにしてそっからまた年齢順でめちゃくちゃ待たされたせいか、台に載せられたときに血圧下がりすぎてて点滴さすのに一苦労、鎮静剤はまたもやあんまり効かなくて悶絶、点滴針抜かれてから血が止まらずに包帯を巻かれて大袈裟な見た目になり、すぐ帰れる人もいる中で立ち上がった瞬間に看護師さんに「あっ、しばらく横になってってくださいね〜」と数十分安静を指示され…………。帰ってからしばらく頭痛が酷かったので熱中症ではあったと思う。あぶなすぎる。マジで真夏と真冬の内視鏡はおすすめしません。まわりおじいちゃんおばあちゃんばっかだから死ぬほど後回しにされるし。おばあちゃんになってこれ耐えれる気せんて。でもなんか腸はきれいだったらしいですよ。詳しくは来週先生から聞かされますが。………この状況で腸がいきなりきれいなのもなんなの!!?怖いよ!!!!?さておき、今朝くらいまでなんとな〜く血が出てましたが今は落ち着いたのでさっきめちゃくちゃ久しぶりにポテトを食べました!!!!!!うまい!!!!!!!!ポテトくらい食わなやってられまへんねん!!!!!!!!!後悔するなら明日の私かもしれない、すまんやで!!!!!!!

 

・お察しの通り限界を超えております。超えていて、限界だという自覚もあって、疲れたとも思っているのに、"動けて"しまうし、身体にもほとんど出ておらず、本当に怖いです。そんなわけないだろ。この状況とこの天候で。知ってんぞこのあとにどんだけデカい揺り戻しが来るのか。助けてくれ。どうやって????こういうときに「開き直って動き回る」しか選ばないのがよくないのだとは思うので、意識してまた線を引き直さなくてはいけない。生き延びるために。好きな人たちに悲しい思い出として思い出されたくないのなら、私は私をもっと大事にしなくてはならない。私を大切にしてくれる環境や、人を、それだけを、大切にしなくてはならない。どんなにひとの困った顔が苦手でも、私はアンパンマンにはなれない。ところで、アンパンマンって顔がなくても飛べるんですよ。だから顔をあんだけ差し出せるんだよな。代わりもあるし。私にスペアパーツはない。ジャムおじさんも勇気の花も、この世界には存在しないのだから。

雷鳴

・祖父の四十九日を終えました。それはそれでかなり、かなり予想通りに"嫌"だったのだが、葬儀がああだったのだからとあらかじめ予想のつく嫌さではあったので、まあよい。私以外マジで手ぶらで来たのはそこそこ度肝を抜かれたが。怖いよほんとに。私が持って行った桜の香りのお線香は祖母も気に入ってくれたようで、もうそれでいいやと思った。あとでしこたま愚痴を聞くことになるだろうが。あと、私がプリントアウトして私が用意して行った祖父の葬儀のアルバムに、姪が写真を貼ってくれた(ヒマだとぐずりはじめたので、お願いして横であやしながらやってもらった)のだが、それを「姪ちゃんがくれたアルバム」とみんなが呼ぶのも(もちろん、状況的にそうしないとこどもがぐずるのでマジで仕方ないのだが)、少しだけモヤモヤした。私が撮った写真を私がプリントアウトして私がアルバムを買って行ったのは、透明になっていた。まあよい。それは。そんなのは、いつものことなのだ。いつものことだから、"嫌"だったのだが。よくなかったのは、その後だった。

 

・突然の休職騒ぎから一年半以上お世話になっていたメンタルクリニックの主治医が亡くなった。と、主治医の姉を名乗る人物から、スマホに着信があった。四十九日の集まりを終えて、私と叔父夫婦、両親と祖母だけになって、さてつぎはお墓の候補を…とカタログを広げ出したときだった。最初は、知らない番号からだったので出なかった。自動で録音が始まり文字起こしされる留守電に、見知った名前と信じられない内容が表示されて、飛び上がるように立ち上がった。皆がこちらを見る。「通ってる病院の先生が亡くなった」。そのまま席を外して別室で折り返すと、その「主治医の姉」が困り果てた声で話すのは、こうだった。つい前日に弟が亡くなった。自分は大阪から今日ようやく出てきた。病院は弟一人でやっており、システムのパスワードもホームページの管理方法もわからない。なんとか今になって、予約患者のリストにたどり着くことができて、とにかく順番に電話をかけている。こういうことなので、あすの(その翌日の朝一番が私の予約だった)診療もできないし、その後、別の病院を紹介することや、これまでの記録を紹介状のようなかたちで用意することもできない。本当に申し訳ない。こんな形で治療を中断することになるが、どうか体を大事にしてほしい。……と、そういうことだった。

主治医は、若く見えた。少なくとも、10も離れていないように見えた。つまり、40代以上には見えなかった。お姉さんの声も若い方の声に聞こえた。実際はどちらもわからないが。とにかく、そんなことが、急に起こるような年齢には、見えなかったのだ。

当たり前だがどのように亡くなったのかは訊いていない。いち患者がきくことではない。だが、準備されていたような、または、ご本人がそれを想定して必要な手筈を整えるような、そういったたぐいのものではなかったのだろう。だって、つい二週間前に、「じゃあ次回、27日はどうですか」「すみません、その日は四十九日なので、できれば翌日で」「わかりました。じゃあまた次、お話聞かせてください」「はい、またよろしくお願いします、失礼します」と病室を出たのを覚えている。薬(睡眠薬と、抗不安薬の頓服)はまだ少し残っていたので、今回は出さずに次ですね、とも言われていた。次が、あるはずだったのだ。

かかっていた分野の特性上、かなりパーソナルな話をしてきたと思う。かといって踏み込んでくることはなく、適当に優しい言葉をかけられることもなかった。いつもちょうどよかった。私が復職後にまた残業が増えてきて体調を崩しながらへらへらして「でも、みんな優しいし、いい職場なんです」と頼まれてもいないのに会社を弁護していると、「毎日みんなが2時間も3時間も残業しないといけないような職場はいい職場ではないですよ」「芝生さんは特に、潰瘍性大腸炎で人よりも心身がストレスに過敏なので、みんなと同じようにやろうとしないでください」「人の仕事は巻き取らないようにしましょう」と、うんざりするだろうに何度も何度も、なんとも思ってないですよという真顔で当たり前のことをさらりと言ってくれた。『頑張らなくていい』を噛み砕いて受け取りやすくしてくれた。そんなふうに、一年半とすこし、毎月何度か、ほんの15分程度会話していた。頼りにしていた。仕事や私生活でつい気張りすぎてしまうとき、イマジナリー主治医が少しだけ眉を顰めながら脳裏に登場した。そこにいるから、イマジナリー主治医だと無邪気にお守り扱いできていたのに。もうそこにしかいなくなってしまった。

 

・こんなに続けて、違う位置付けの「心の支え」になる人たちを失うとは思っていなかった。祖父については四十九日をやっと過ぎて、さあこれから静かに悲しみに向き合える、と思っていた。なんでそんなところに。こんなふうに。わたしのまわりで。かつて「疫病神」と揶揄された、まだ痛い記憶が暴れ出す。こんなのは、ただの偶然だ。偶然なのに、私は私がまた、穢らわしい何かのような気がしてきた。祖父も、主治医も、それぞれ私が「元気になる」ことを望んでいたのだからこんなふうに思うのは間違いだ。だけど。これ以上続かないって、私以外だれも結びつけないって、どうしたらわかる?

 

・それでも労働は押し寄せるのであった。毎日3時間から4時間残業して、あちこちきちんと悲しむ暇もなく、気付いたら、31歳最後の夜になっていた。このままだと次のブログが上の内容と「32歳になりました」のコラボレーションになり、めちゃくちゃすぎるので今夜急いで書いています。いや、そんなことしたって私以外に意味はないのだが…。でも読んだ人びっくりするよねえ。どういう感情になればよいのかは、私がいちばんわかりません。

 

・で、な〜んにも知らない4月の私が願掛けのようにぶちこんだ有休(あすあさって)ですが、なんと!傷心ぼろぼろの祖母をどうにか癒すべく、祖母及び両親と一泊二日近場旅行です!

私は誕生日すら人に捧げて何やってんだろうな。でも今年は仕方ないよ。だって、亡くなったばっかの祖父の誕生日、5日なんだもん。近すぎるんだよ。こうなる気はしてたよ。いつもの、ことだよ。

手放しで楽しめる要素が今ひとつ足りない上、天気予報は案の定、雨。だけどまあ、楽しめるように頑張ってみます。主治医が出してくれた頓服の薬の残りは、まだ明日明後日くらいのぶんならギリギリ残っているから、なんとかなるだろう。

 

・もうお薬はいらないですねって、いつか、あなたに言われるまでは、あのビルに通う日が月に何度か、続くのだと思っていました、先生。先生。私が生きて32歳になれるのは、誕生日に外に出られるのは、大袈裟でなく、あなたのおかげでした。あなたが近くも遠くもなくそこにいてくれたから。ズレてゆく私を少しずつ呼び戻してくれたから。さようなら。まだしばらく私の脳みその中でときどきしぶい顔をしてみせてもらうけど。でも、さようなら。

ありがとう。とても、悲しいです。先生。

それでもあなたの旅路に花を

 

・40日前に祖父が死んだ。95歳だった。100まで生きるんだと言っていた。周りもなんとなくそう思っていた。そうはならなかった。今日から2週間後に、96歳になるはずだった。1月に最初の危篤連絡があってから4ヶ月も経ったので、なんだかんだ、そこまでは耐えるのだとたぶんみんな思っていた。そうはならなかった。

 

・心の底から厭わしい親戚付き合いを明るい笑顔とはっきりした声で捌き、もたもたぐちゃぐちゃしている段取りを、横から整理して整頓し、姪の相手をし、祖母の手を握り、母の背を支え、祖父が無邪気に願っていたはずの、『家族揃って送られる最期』を叶えられるように奔走した。たとえ彼が死者で、もうこの世を知覚できないとしても。彼の夢が叶ったことを理解することがなくても。私はその日から毎日睡眠薬を飲み、精神安定剤を最大量飲み、もちろん、悪化している潰瘍性大腸炎の薬も欠かさず、痛み止めを飲み、それぞれの副作用に耐えながら、右目の痙攣を無視しながら、耳鳴りを知らんぷりしながら、「しっかり」していた。わたしはただの二番目の孫だ。でも、祖父がいちばん可愛がってくれた孫でもあった。それは、良くも悪くも、その場の全員が認識していた。だから、誰も止めなかった。葬儀のあとの夜、食事をしてこのあとの軽い打ち合わせをしてさっさと解散すればよいものを、また彼らは長々と大騒ぎしていて(工事現場の方がよほど静謐で神聖だ)、私はもう薬でもどうにもならないほど手足が冷えて震えはじめたことに気づいていた。ひととおり笑顔を振りまいて適当におしゃべりを終え、ちょっと別室で横になるねと部屋を離れた。私が、小さな頃からこのやかましさがどうしようもなく苦手なことも、昔からこの通り体が弱いこともみんな知っていたので、とりわけ騒がれることもなく退場できた。そう、みんな知っていたのだ。知っていても、こいつらは、やはりこうなのである。暗い部屋で横になり、息をつとめて長く吐く。ドア2枚隔てているのに全部の会話が聞こえる。ぜんぜんうるさい。ああ、ああ、こんなとき、いつの間にか喧騒のまんなかから抜けてそっと様子を見にきて、そばで何か作業をしながら、黙っていてくれるのが、祖父だったのに。祖父だけが、そうだったのに。もういない。もういないのだ。私がこんなにがんばったのを、彼は知らない。死んでしまったから。

家族みんなを愛していたあなたはたぶんその場にいる全員と仲良くしている私の姿をいつか見たかったのだと思うのに、あなたがついに死んでしまってからしかがんばれなくて、ごめんなさい。やっぱりこいつらのことを許せなくて憎くて悍ましくてたまらなくて、ごめんなさい。ずっと心配させてごめんなさい。最後は、私のことなんかほとんどわからなくなっていたから、もう心配もさせずに済んでいたならいいのに。本当のところはわからない。もう誰にも。

遺影は、高校生の頃の私がホームステイのお土産に買ってきたTシャツを着て、私が買ってきた日本酒をご機嫌で掲げる、私が撮った祖父の笑顔の写真になった。2年前の誕生日の写真だった。何枚か候補を出したが、満場一致だった。祖父は写真を撮るのが好きな人だったが、人に撮られるのはいつも嫌がっていた。だから、ひとりで大きく笑っている写真は本当に珍しかった。よく撮らせてくれたねと、奴らは口々に言った。いつか来るこの日のために、彼の笑顔を本気で残そうともしなかった奴らが、軽々しく、やっぱりあなたをいちばん可愛がっていたからだねと、しんみりしてみせる。気に入らない。本気でそう思っていて、悪気なんかひとかけらもないこいつらのことが、心の底から気持ち悪い。持ち上げておけば誰かが全部やってくれる。悪気がなければ許される。それらしい言葉を吐けば何もしなくても許される。その歪みを誰が解いているかなんて気が付かない。本当の本当に、わからないのだ。こいつらは。わからないのは仕方がないが、私がそれを気に入らないのも仕方がない。ならば距離を置くしかないのだが、私がこの一族から本格的に縁を切っていないのは、祖父が、きっとそれを悲しむからだった。私と祖父にはたぶんそういう絆があった。これが家族愛のひとつなのかは、わたしにはやはり、わからないが。

そのまま誰もいない部屋で少し、音を立てずに泣いた。もう誰も、そんな私に気付かない。手のひらに爪をたてて意識を保ち、なんとか、その日を終えた。

 

・その2日後、手足に発疹が出た。結構ひどかった。疲れればよくあることではあるので、様子を見た。そのまた2日後、喉の中とくちびる、舌の裏、歯茎、それから全身にひどい湿疹が出た。これはちょっとこわいなと思い、仕事を急いで片付けて皮膚科にかかった。おおごとになった。詳細ははぶくが、大学病院(UCで既にかかっている病院の皮膚科)に紹介状をかかれ、息が苦しくなったら救急車を呼べと念を押され、大学病院で検査を受け、さまざまな可能性を除外していき、結果、「過労と服薬の副作用で免疫が下がったところになんらかの感染が起き、それが時間差でアレルギー反応として皮膚と粘膜に出ているのだろう」とのことだった。心当たりがありすぎた。仕事は、絶対安静の指示が出ましたと事実を伝えて数日休んだ。それがだいたいいまからひと月前で、仕事は仕事で爆発しているので思うように回復しないまま、皮疹がそこまで出なくなったのがここ2日くらいのことで、かゆみや痛みで起きない夜はまだない。まだ終わっていないのだ。私の中で、悲しみと怒りと憎しみが暴れ回っている。ゆっくり悲しむ暇もない。痛くて痒くて苦しくて煩わしい。楽になりたい。紛らわすようにいろいろやってみるが、焼け石に水である。悪夢を見て怒鳴りながら起きる日がまた増えて、夢と現実のはざまで瞬間的にはっきりと怒鳴るのが上手になってきた。そんなものを上達させている場合ではない。むにゃむにゃ言ってればいいのに、しっかりと悪態をついている。そして必ず泣いている。心臓がどくどくと脈打っている。脳みそがめちゃくちゃだ。世が世なら悪魔祓いを呼ばれるか、火炙りだろうな。魔女だ、殺せ!

 

・四十九日を迎えるまでの忌中は、地味ながらさまざまな制約がある。とはいえ現代人として臨機応変に、あるいは身勝手に、これはセーフ!と言い訳しながら気晴らしをしている。焼け石に水でもないよりはましであろう。自分でも驚いたのは、神社に足を踏み入れてはならないという制約に、かなり不自由さを感じていることだった。静かで、なるべく誰もこなくて、空を覆う木々が風に揺れていて、目を閉じていられる、祈りの場所が私には必要なのだなと思った。人はどこでも祈れるのに、不思議だった。小学生のころ、まだすべてはわずかに綻びながらもおおむね平和だったころ、それでも仲のいいクラスメイトたちの誘いからすら身を隠してこっそりひとりで寝転んでいた、学校の裏の木陰のことを、思い出す。私はずっとあれを求めている。あの木漏れ日の中で、そのまま風に攫われて光になって空に溶けてしまいたかった。実際は、地べたで文字通り血を流しはらわたを爛らせ、空気のまずさにあえぎながら生きている。私は、生きている。それでも。

 

・都合よく四十九日が明けた後にある自分の誕生日のためにとっていた有休を、もうなんかめちゃくちゃになっちゃってる祖母と、その娘である母と、あとなんか父と、の4人で一泊二日の旅行に費やすことにしてしまった。私は……私ってやつは…………ほんとうに………………。

できる限り楽しんで、自分へのほんとうのお祝いは、別途おこなうことといたします。なお、誕生日のおよそ3週間後にまたしても内視鏡検査が確定いたしました。仕事は無理矢理休みます。もう知らねー!!!!!!!!!わしの体を守れるのはわしだけだわい!!!!!!!!!!!!!!!やだよ〜………またあのクソマズ下剤………………2リットル………………もはや麻酔が微妙に効かなくて痛くて苦しいし…………………。

 

・もうめちゃくちゃなので、よかったら7月2日におめでとうって念じてください。私はお祝いされるのは素直にうれしくて大好きです。はやく好きな人たちに会いたいよ。生きて全員と会うぞ!!!!!!今年こそは!!!!!!!!!!!あとナポリ10周年イベントのチケット当たりますように!!!!!!!!!応募期間が前述のとおり一切神頼みできない期間だから丸腰の祈りだけでいくぜ!!!!!!!!!!!!よろしくお願いします!!!!!!!!!!

Two of us

ブログを書こう書こうと思いつつその気になれず灰色の毎日をただひいひい生き延びていましたが、ようやく映画プロジェクト・ヘイル・メアリー(字幕・ドルビーアトモス)を観に行くことができて、「今感じたことを一刻も早く書き留めたい!!!」という気持ちになれたので、書きます!!!!!!!!!!!

 

というわけで本ページは映画プロジェクト・ヘイル・メアリー日本語字幕版および同原作日本語版のネタバレを遠慮なしで含みます。ここは私のブログだから好きにやらしてもらうぜ。

 

ストーリー順に細かく書くとかいう器用なことはできない(それをやると映画の十倍くらい時間がかかる)ので、思いついた順に書きたいことだけを書いています。記憶違い、解釈の誤り等あるかもしれませんが、いまここの私に残っている「感想」を書くものとしてご了承ください。読んでくれる人いんのかな。いたらいいな。

 

 

……じゃあ書きます!

 

・冒頭のシーン

ここで、「なるほど、映画の見せ方はこうなのね」と思った。日本の原作既読勢がとにかく映画より先に原作を…!と口うるさいほど言ってきた(私も言いました)ポイントのうちのひとつである。で、正直ここは、「映画の見せ方ならこのスピード感と描き方で合ってるな」と思った。でも、小説の初読時のあの、グレースの一人称時点でこちらも何もかもわからないまま、ここがどこで自分が誰なのかさえわからないまま、グレースの知恵と機転とユーモアによって物語に引き込まれていく感覚がたまらなく好きだったので、原作のあれが好きだったよ…!という気持ちもある。原作の話になってしまった。映画に話を戻すと、グレースのビジュアル(長期間のコールドスリープ明け)は、いわゆるイエス・キリストを意識しているかな?と思った。設定上そりゃ体毛は伸び切ってああなるだろというのはもちろんなのだが、"死から復活せし、我々を救いし者"としてのイメージを重ねられているように思った。そもそも「ヘイル・メアリー」だし、「グレース」なので、キリスト教的世界観を印象付ける意図はあっておかしくないと思う。

 

・話の方向が近づいたので、場面がめちゃくちゃ飛ぶが、

グレース「計画は成功すると思う?」

ストラット「神のみぞ知るわ(※これは私の意訳です)」

グレース「あなたは神を信じているの?」

ストラット「他よりマシ」

…このシーンにもつながると思う。グレースも、彼女にとって最終的に「他よりマシ」で、「信じるしかない」存在だった。ていうかストラットの名前もエヴァ・ストラットだ。知恵の実を食べて楽園を追放された女。そしてファミリーネームはおそらくだがストラトスフィア(「成層圏」転じて「最高位」の意味を持つ)からではないか?彼女の名前は、彼女がどこまでも人間=神に至らないものであり、地球を覆う層までしか至らないものであることを示唆している……?ぜんぜん違ったらすいません。でも、だからこそ「グレース(神の恩寵)」に託して「ヘイル・メアリー(アヴェマリア=おお神よ、とか、日本だったら『神様仏様…』みたいな感じだと思う)・パス」に賭けるこの物語のキーパーソンとなる。神に祈りを捧げるのは人間だから。人間を救うのは、人間ではない。(彼女たちの信じる神がイエス・キリストである場合の)地球では。だから彼女はグレースを最終的に『人間扱い』しなかった。

 

・ストラットのこと

小説のときも好きだったけど、ザンドラ・ヒュラーの演技が凄くてめちゃくちゃ好きになってしまった。グレースとロッキーのファーストコンタクトと同じように、彼女もグレースの表情をおうむ返しして「コミュニケーション」を取ろうとする描写があるが、彼女のそれはどうしても「操作するため」になってしまう…………。原作を読めば彼女なりの覚悟の深さ、背負っている業にどれだけ自覚的かはもっと描かれているのだが、その描写をまさかカラオケで歌と歌詞にのせて補うとは、映画ってすげえや…と思った。小説で音楽は聴けない。音楽には感情が載せられる。歌う彼女をまっすぐ見つめていたグレースに、彼女個人の抱える葛藤や願い、信念が届いた、という重要なシーンだったと思う。オリジナルシーンかつやや唐突なので賛否が分かれているのは仕方ないが。あんなんもうマクロスじゃん、と私は思いました。

 

・カール

彼関連も映画で急に生えてきたのでビビったが、序盤をテンポよく心地よく魅せるために必要なアレンジだったのだと思う。彼と仲良くやってるシーンは普通によかった。ストラットがああいう女性で、かつ描写を映画サイズに削らねばならない以上、グレースの「未練になりうる友情、人間関係」として彼の役は必要だった。子どもたちへの思いや、プロジェクトメンバーたちとの描写が限界まで削られた結果、シーンに組み込みやすい人物として生み出されたキャラクターだと思う。そして彼はロッキーとの対比でもある。彼はグレースを『裏切る』。彼はグレースを『薬で昏倒させ、眠るところを見守らない』。

 

・爆発カップル

なんかこう………うまいこと省略したな!!?映画の尺ではヘイト管理が難しいし、いたしかたなし。

 

・うまいこと省略された爆発の原因はさておき、爆発の直後グレースよりも先に立ち上がりフェンスに駆け寄りすぐさま電話をかけるストラット、この描写だけで『本気』がわかる。もはや保身や安全ではない。計画の成功によって地球を救う、最大多数の最大幸福を目標とする女。自分の力では救えないなら、どんなことでもすると決めた女。

地球の話ばかりしてすみません。

 

・二人の乗員との別れ

自分でもびっくりしたんですが、私はここで泣きました。ここで泣いた上、いちばん泣いたのがここでした。早すぎるし意外すぎる。

なんでかな〜といま振り返っているのですが、もちろん展開は知っていたのだけど、あそこまでの描写の中でずっととにかく流されて戸惑ってまた流されて…という状態だったグレースが、彼らのことをまだ思い出せてもいないのに、遺品やそれまでわかった状況から彼らの勇気に心からの敬意を払ったシーン、ひいては、グレースの中に勇気が植え付けられたシーンだったからかな……と思います。原作では二人の死について「悲しいな」とか、彼らを思うグレースを「優しいな」とざっくり思うだけで通り過ぎてしまったけど、映像になることによってびっくりするほど刺さってしまった。グレースは子どもたちをこうして「卒業」させたこともあるのかもしれない。それは未来に向かう明るい訣別だったろうけど、これはそうじゃない。亡くなった二人の勇気を、無念を、グレースは受け取ってしまった。この作品にはいくつものヘイルメアリーパスがある。

 

・ロッキー

書きたいこと多すぎるんですけど!!!!!多すぎるからかいつまみますが、まず、ちょっと惜しい〜!!と思ったところから:①言語コーパスつくるところもっと見せてよ!!(完全に個人的な趣味だが原作で一二を争うお気に入りシーンだったので寂しい。絵面が地味すぎるので削られる意味はわかる。でも出汁のないお味噌汁飲んでる気持ちになった…原作を読もう!) ②食事シーン、「文化、美醜の感覚の違い」程度の意味づけになってしまったがあれは『恥』の概念の違いを示す→『信仰する規範(≒神)』の違いを示す象徴的なシーンだったと思うので残念 でも絵面もメタファーもセンシティブすぎるか…と思うので、これも映画の限られた尺で削られる意味はわかる。 惜しいなと思ったのはこんなところ。

特筆したいのは、グレースが気絶したときに何度も何度もロッキーが彼の名前を呼ぶところ。あそこは字幕も何もない(他のエリド語は字幕がある)が、観客である私たちにはロッキーがグレースを呼ぶのが「聞こえる」。ものすごい描写だと思った。映画って、演技って、演出って、すっっご。ここは泣く。その描写に泣いた。

あとはも〜〜とにかく動きがいい、音(声)の表現がいい、読み上げソフトの抑揚がいい……。キャラクターとして最高なのは原作からわかっているのでさすがに割愛するが、映像になったことによってより厚みが増したというか、「マスコット」ではなく「友達」「相棒」なのだとしっかり描かれていてよかった。多くの方が書いているが、「3時間だけ待つ」と言って結局グレースの意思を受け入れなかったストラットと、「いくらでも考えていい」と言えるロッキーの対比は、状況や寿命による時間感覚がそもそもぜんぜん違うということはおいても、はっきりしている。グレースが命を賭けるのは彼をエリドに帰すため。思い出した記憶の中で自分を「裏切った」ストラットとカールが守れと頼む地球に戻るより、自分を「勇気がある」と言ってくれた、エイドリアンと過ごす時間を「まだ足りない」と言った彼を助けるために、最大の勇気を出した。タイトルロゴのΔマーク(日本語のカタカナでは「へ」の部分)、なんだ?と思っていましたが、「あの図」か……!と思いました。ほんと一瞬だったけど。ヤオとの回想シーンで彼が言っていたことと同じことなんだけど、誰かのためだから出せる勇気というものは存在する。

好きポイント無限に出てくる。プロジェクトヘイルメアリー・ロッキー視点のスピンオフください。

 

・グレース

いい奴〜!!!!!!原作の怒涛のモノローグがなくなって無口(?)になったぶんBGMが感情豊かになってたのおもろかったです。で、怒涛のモノローグの怒涛のユーモアと知性のフィルターを外してみる彼は、なんて弱々しく、可哀想で、勇敢で、心優しいんだ………と思いました。なんかもっとウキウキしたり、プンスカしたり、そういう印象があったのだけど、映画の彼は少し違った。

ミステリアスになりたかったと言う彼が好きな天候が「霧」なのは、世界の不思議そのものを愛しているからなのだろうか。霧が晴れなくてもよいと思っている、そういう人がいてもいいんだよね、と思った。でも地球では濃霧を「いい天気」とは呼ばないんだ。エリドでは、どうだろう。

 

・地球にビデオが届いて老いたストラットがそれを見て指揮を取るシーン。ありがとう………。ロッキーがくれたグレース人形も同封したんだ、というところで、グレースが彼女(たち)を、部分的にも許していると、私は受け取りました。私だったら人にあげたくないし最後まで持っておきたいけど、もう地球には戻らないと決めて地球へ送るものを決めているときに、それを入れたのは、やっぱり「やってやったぞお望み通りに!」という、皮肉混じりの、親しみを込めたメッセージだったのではないかな、そうだったらいいな、と思います。

 

・クライマックス〜ラストシーン、意外にも泣かず。これも感激屋の私にしては珍しいのでどうしてかなと考えましたが(もちろん展開知ってるのも大きいけど)、「安心」が大きかったからかな〜と思います。もう大丈夫、おうちに帰ろう。で、おうちに帰って、また日々が続いて、空は晴れずに霧がかかっていて、…グレースがこのあと「地球に帰りたい」と思うかどうかはわからない(帰れたとして、彼の接した人たちはもうこの世にいない可能性が高い)けど、今はエリドに彼自身を「スペアの中の一番上」ではなく、「専門家」でもなく、友人として尊重してくれる相手がいる。ならここがグレースのホームなんだろうと思う。

正直、アメリカンな価値観でのSFの王道って、ファミリー最高!マイホーム最高!の、「もといた場所に帰ってくる」物語だと思っていたのですが、行った先をホームにしたっていいんだよ、という物語であったことに、原作時点からめちゃくちゃ救われていたので、ひとまずこの映画まででは、そこを覆すような展開が付け加えられることがなくて、個人的にはすごくよかったと思います。

 

以上!すんごくいい映画だった〜!!2時間半でこんなに楽しめるなんて……。指定難病のそこそこの重さなのでアレをコレしてお安く見れたが、観たい映画を観れる体調でいたいものだぜ……。と思います。公開当初から今日まで観れなかったのは8割体調のせいなので……間に合ってよかった。IMAXは見れる日がなかったけどせめてドルビーアトモスで見れてよかった。

エンドロールの写真はマジの宇宙の写真らしいので、観に行く方はエンドロールもガン見しましょう。

そして願わくば、原作小説も……読むかオーディブルで聴くかして……!こんなに旨いとこ残してあるのォ!?と驚愕してください。私も読み返します。

逃げて、カナリア

・土日ずっと具合悪くて無理矢理睡眠導入剤で寝て起きて、やっぱりしんどいな〜と思いながら会社に向かうも電車の中で急に過呼吸にハマってしまい命からがら途中下車してホームのベンチで25分くらい立ち上がれないまま各所に連絡して仕事を休んで丸一日めそめそしていました。やっと手足の異常な冷えと腸の大暴れが落ち着いてきた。悔しくて苦しくて泣きすぎて高い微熱が出るわ頭痛が出るわ瞼が腫れまくるわしているが、明日は在宅なので仕事はできるだろう。

仕事をしなければ、生きていけない。私がどんなに私をやめたくても、それで私を大事に思ってくれる人を悲しませたくない。だから、生きていかなければならない。

今だからすぐに休むと決められたが、少し前の私なら「少し休んで、行けるようになったら行こう」と無理矢理会社に向かっていた可能性がある。これでもご自愛レベルはマイナスから若干上がっている。0よりマシ程度だが。

 

・年が明けて少しあとに、高齢者施設にいる祖父が危篤と連絡があった。詳細はもうめちゃくちゃ(事態も、書くことによる私の精神的な負荷も)なので一旦省くが、危篤とされてから2週間ほどでなんか急に回復(?)しはじめ、しばらく安定し、また数日前からイヤイヤ何も食べない期になってしまったらしい。老人が食べないと、当たり前だが、緊急性は増す。しばらくは笑顔まで見れたので、気を張り詰めすぎるのはやめようとしていたのが、また安心できなくなってしまった。年が明けてから、自分の通院があるか、自分の体調がやばい(私の『体調がやばい』は、冒頭の通り『電車に乗って無事でいられない可能性があるレベル』である)時以外はなるべく週末を面会に費やしてきた。

急にアンハッピーな連絡でドタキャンする可能性がある以上人と会う予定は立てられないので、誘ってくれる人たちにはそれぞれ事情を伝えながら、一人でいて落ち着かないときはゲームをする時間が増えた。既に、本が読めないので。

異常事態ながら、そこそこ安定していると思っていた。思おうとしていただけだった。

 

・二月頭の診察で潰瘍性大腸炎の悪化と診断され、クソデカ錠剤を倍にされ、ウソでしょみたいなデカさの箱に入った注腸剤(スプレー型/ステロイドだが経口薬よりは副作用が少ない)が新入りした。一カ月分の薬代だけで万札が余裕で溶けた。弱い心と体でも一人でまともに暮らすためお金を稼がねばならないからと働いて、体を壊して、完全に治りはしない病気ばかりに罹っては、医療費にお金が溶けていく。地獄?罪があってとわかっているだけ、地獄の方がマシかもしれない。

腸からの出血などは先週くらいからなくなり(同時期に月経が来たので正直いまのこれはどっからの血と痛みやねんみたいな感じはあったが)薬自体はなんとか効いてくれたと思うので、これが効かなかったらまた内視鏡ね、という先月のおそろしい予告は実現しないはずである。そうであれ。もう嫌です。最悪年一ではやらされるんだけども。

 

・少し落ち着いたら書こうと思っていた「めちゃくちゃなこと」がひとつも落ち着いてくれない上、雪だるま式にしんどさが増えてゆくので、困ったな〜、でもブルスカとかで吐き出したりはしているし、読書はできないがゲームならできるし(ここにきて好きなゲームが立て続けに出て、救いだとすら思っていた)、薬の副作用だって不眠程度だし、もうちょっとで山越えられるかな〜、と呑気に悩んでいたら、今日ついに迫力のあるゲームオーバーが発生したので、悔し泣きしながら振り返ったところ、ひとつひとつがわたしの身体には荷が重すぎますわ……ということがわかった。呑気に悩んでいるつもりで、思いっきり現実逃避していた。

そういえば数週間前、大悩みの末に行った推しのライブ(最高だった)の日も腸から大出血していました。MCと弾き語りは全て座っていて、それでも限界で、悔しかった。ライブは最高だった。行けなくなりたくない。その光が届く場所にいたい。怖かった。どんどん遠くなるのが怖かった。

また「当たったのに、無事に行けるかわからない」ことで心をめちゃくちゃにするのがいやで、後半公演に申し込むことができなかった。悔しかった。

 

・こんな状態で二月の残業時間は20時間を超えていた。たった20時間だが、私の身体には、とくにいまの私には、またしてもやり過ぎだったらしい。それも悔しい。これくらいで?と思われるかもしれないこと、ここまで復職後に突発で病欠しないようにしてきたのが無駄になった気がすること、ギリギリで有休がマイナスになること、「いけると思ったのにダメだった」こと、すべてが悔しくて悲しい。これ以上どうしたら「よくなる」というのだ。私は一人で私を生かさなければならないのに。私の生活は私にしか守れないのに。

 

・今夜もまた自力で眠れそうにない。「連日飲むことになってもお酒飲むよりはマシですよ」と主治医に言われている程度の薬だが、睡眠導入剤を連日飲むのもまた、怖い。意識の角をわずかに丸くするような薬なので、最初に処方された、チャンネルを一つ遮断するタイプの薬のように金縛りや幻聴が起きないのは安心だが、それがないと眠れなくなるのが怖い。性質上、毎日飲めるほどの量を処方してももらえないし。私はそれがどのように「失敗」するのか身内のケースをいやというほど見ているので用法容量は死守するが、眠れる薬はどうしても依存性がある。本来眠りそのものへ感じるべき欲求がそちらに向かうのだろう、人間はいまだあまりに不完全だ。まあ、眠れないでいるとまた泣き続けたり惨憺たるニュースが山積みのインターネットに呆然としたりして体力を消耗するので、今夜も多分飲む。悔しい。

 

・いつになったら、どうなったら暗く長いトンネルを抜けることができるのか、誰か教えてほしい。頭の中に「助けて」が充満して重い。そんなところではちきれても、誰にも届かないのに。こんなところではちきれたら、反響して崩れてしまうのに。生き埋めになりたくない。