いもいもなにいも

おいものなんでもない日

白い象の背に乗せて

・大事な友人の結婚式。泣くだろうな〜と思っていたけどやっぱり泣いた。7回泣いた。初対面の新郎が一ミリも知らん新郎友人らに感謝を述べて睦まじくしてる姿ですらちょっとヤバかった。箸が転んでも泣ける。帰ってから広げたハンカチにはリップのピンクとかすかにマスカラの跡がついているくらいだったので、式場のメイクさんはさすがだなあ!と思った。自前メイクだったらファンデとアイラインまでいってる。

大事な友人が輝くような美しいすがたであたたかい祝福の輪の中におり、何より、新郎が新婦である友人を見る目よ!会ったことないし正直顔も名前も覚えていなかったけど(私は本当に人の顔と名前が覚えられない。許してほしい)、新婦のヴェールを上げるときの彼の目を見て、あああの子をまかせられます、今日の日をありがとう、と思った。何様?私の友人のパートナーは、彼ら彼女らを心から愛していてくれなくてはならないよ。泣かせたらアタイがボイスレコーダー棍棒持って乗り込むからな。

新婦と、同じテーブルだった同じ高校の同級生(そのうちひとりは私の数少ない親友だ)以外は全く面識のないアウェーなセレモニーだったが、しっかり外面作ってこ!と新郎や新婦ご家族にご挨拶したところ、彼らはもう私の名を知っていた。苗字だけ(仲のいい友人にほど苗字だけで呼ばれる)。名前だけ知ってる感じじゃなかった。「あの」「あなたが」が付いてた。な……何をどこまで知ってらっしゃる………?でも、新婦が彼女の家族に私の話を、代名詞でなく名前を呼びながらしてくれているのがとても嬉しかった。妹さんは「えっ私のことをご存知で……?」と訊いたら「やだ〜知ってるに決まってるじゃないですか〜!」と新婦によく似た笑顔でウケていた。可愛かった。可愛かったのでピン写撮らせてもらった(ちゃんと新婦に提供しました)。いや決まってはいないはずなんだよ、会った事のない姉の友達の名前を知っていることは。新郎なんか、写真巡廻2回目にはもうわたしの苗字呼び捨てだったもんな。いい度胸だ。その屈託さで、わたしの大事な友人をよろしく頼む(2回目)。でも一回桃鉄で倒す。お幸せに!

 

・愛しあうふたりの見つめ合うところをガン見していい機会ってなかなかないじゃありませんか。ド正面で見たおかげで、「なんかもう………わたしは……………いいです…………」から「……いいな〜〜〜ッ!!!」になった。ストゼロから赤ワイン。他人のラブを肴にするな。でも本当にお酒が進みましてよ。体調自体は割と悪かったのをアドレナリンで緊急稼働させてたので三杯くらいにとどめましたが。

 

・いまのこの、陽の気にサンサンとあてられたとこならいける!と思って、一緒に参列した友人と帰り道休憩に寄ったカフェで、マッチングアプリ一覧表とそのレビュー欄だけ一緒に見てもらった。男性有料なのが多いとは知ってたけど結構お値段するんだな………つまり数が………。とか、会話アドバイス機能って何……?とか、いいね数上限って何……?とか、勢いづいたくせにすぐ怖くなって、そそくさとブラウザを閉じてさっきまでの披露宴の写真を見て深呼吸した。完全に情緒の交互浴だった。心臓に悪いとこも同じ。

まだ、まだいい。でもこの手に持ってるスマホで本当にそういうツールが使えてしまうのだということはわかった。年明けたら……たぶん……やるかな………。誰と、が過らずに、恋そのものがしたい!ともうちょっと強く思えるようになっていたら。いいなあと思えたんだからそう遠くないと思う。それがいいことなのかそうでないのかはわからないけれど。大丈夫、そのときもきっとこうして、一緒に一喜一憂してくれる友達が私にはいる。

 

・体調は終わり続けています!終わりきらなくてえらい!「閉店セール」ののぼりずっと立ててるお店の気持ち。うそです適当こきました。昨日、クリーニング店の受付で自分の部屋の郵便番号が急に思い出せなくなってかなり動揺した(引っ越してきたばっかりかな?みたいな感じですぐ調べてくれたのでそういうことにした。三年半住んでいるのにね…)。脳がやばい。恋がどうとか体型がどうとかよりまず脳だった。仕事で大ポカかまさないように、なるべく睡眠を最優先します。身体の左側がずっと痛くて右耳の奥がずっと痙攣している。ひとりなのにうるさくてイヤ。

 

・象のことを忘れるぞ!と思えば思うほど象のことばかりだ。別に象は関係がなくて言葉のあやです。まあ確かに、瞳は象に似ていたかも知れない。虎や熊やペンギンやシャチよりは。郵便番号よりも、こっちがかすれてくれたらいいのにね。