いもいもなにいも

おいものなんでもない日

Never ever

仕事中に速報があり、検査の結果あす父の退院が決まりました。心配してくださったみなさん、ありがとうございました。

あす仕事帰りに顔を見がてらいろいろ手伝いに行こうかと思い連絡したところ、当の父から

「クリスマスなのに暇なら遊びに来て下さい。」

と、27年半弱の人生でいちばんキメちゃいけないタイミングでいちばんキメちゃいけないゴールをキメられたので、すぐに駆けつけようという気持ちがすっかり霧散して、あたりさわりなく理由をつけて「土曜日に行きます。」と返事をした(土曜も、というか土曜が、クリスマスなのだが)。病人に抱いてはいけないボリュームの殺意を抱いてしまったなか、ギリギリ理性的な対応だった。えらい。えらいということにしてくれ。

私のこころの激動など知る由もないだろうというのを差し引いても、ふつうに大きなお世話だし、あなたを心配して声をかけつづけた娘に向かって投げる言葉ではないんだよな。とはいえ、人並みのデリカシーのある人間が娘の受験期にダブル不倫などしようはずもなかったな(この文章には悪意を含みます)。しかしまあ、ずいぶんお元気にならはったようでけっこうどすなあ(この文章にも悪意を含みます)。

2年前までクリスマスが一番忙しい仕事をしていたので、クリスマスは静かに過ごせるのがかえって贅沢だろうがよと思うし、たとえ家族や恋人や友達がいてもクリスマス当日をそんなに重視することはなかろう。いや友達はいるわい。歳のわりにけっこういるわい。……どんどん負け惜しみじみてサイテーだ。友達に失礼。

この状況でないいつ言われてもこんなに腹が立ったりはしなかっただろうに。この壊滅的に間の悪い男の娘が私なのだ。嗚呼。

 

なにかあったら、という気持ちがあったのと、とにかく気を紛らわしたかったので毎日仕事をモリモリ前倒ししていたらどんどん仕事の量が増えてしまった。「残業の少ない人から順に、あふれた仕事を詰めている」そうだ。合理的でたいへんけっこう。けっこうだが、それは終わりのはじまりなんだよな……と思っていたら上司さんが代わりに「これでいいとは全く思いませんけどね」とはっきり反意を表してくれた。さらに、「仕事の処理スピードが早いということは確かなので、そこは自信をもって、今回は一緒にがんばりましょう。もちろんなにかあれば、お互い様だから遠慮しないで言ってくださいね」と花丸付き満点のフォローで溜飲をさげにきてくれた。お、推せる……推せる上司って実在するんだあ………都市伝説だと思ってた……。

 

しかしこれで懸念事項は一気に片付いた。あとはさっさとアパートの更新手続きをして、出遅れたのでどこにも旅行にいかない年末年始を、推しが今夜から連日やってくれるというポケモン配信を満喫しながら過ごす。おれの推しは最高。

そして、やがてくる春を待つでもなくただ日々を過ごすだけである。まずはカーテンと寝具カバーを一新したい。目に見えるものがひたと変わらないのに、こころのなかばかりが崩れたり剥がれたりそれを直したり大騒ぎでいるのは、居心地が悪いから。

 

今は糸が切れたばかりで、とにかく疲れた。

きれいで、青い、たっぷりとした水が見たい。どこかずっと遠くで。