新しい靴を買った。
好きなシューズアパレルブランド(高くないのにかわいくて、ガンガン歩き回っても疲れない)が2足8000円のセールを今日まで開催していることを知り、ここ半年くらい「新しいスニーカーが欲しい」とぼやき続けていた私は歓喜した。2足選べるなら、この機会に今まであまり買ってこなかったきれいめのパンプスも欲しい。あと4か月で27歳になる。持っていて損はないし、靴に合わせて服を選べば間違いはない。
サイズが小さい割に甲高幅広で、下手な靴を買うと靴擦れしまくるので靴ばかりはオンラインで買うことが出来ないため、試し履きをしないといけないが、スニーカーはまだしもパンプスは履き慣れないので第三者の目が欲しい。そういうわけで、急遽エリートを呼び出して、うちからごく近いショッピングモールまで来させたのである。我々の部屋は電車で1時間の距離なので、なかなかの暴挙だった。
いつもなら相手の近く(都心)に出向くところだが、土曜日は深夜３時まで推しのTRPG配信に張り付いていたため早起きができなかったのと、ホルモンの周期的に頭がぼんやりしがちなのとで、その気力がなかった。どう考えても、うちの近所より混んでいるし。
遠いから行かないと言われると思っていたので、来てくれてすごくありがたかった。
結局、昼食を含めて買い物は2時間で終わった。ゴツくて軽くてかわいいスニーカーと、形と色が珍しくて歩きやすいパンプス。スニーカーはとにかくどこまでも歩けそうだし、パンプスは岩場を歩き回るまでは出来ずとも、20キロくらいなら自転車にも乗れるだろう。遠出した時のバケモノ機動力とおしゃれを両立させたい、悪魔的な欲望を叶えてくれそうな収穫だった。嬉しくてすぐにブーツから新しいスニーカーに履き替えた。
その後お茶でも……と思っていたがお腹は減らず、ほかに人気の少なく楽しめそうな場所も、済ませたい用事もなく、会えて嬉しい人とあっさり解散するのはとても惜しかったが、お互い帰路に着いた。
帰宅して、やっぱりまだ睡眠が足りなかったのか眠気に負けて2時間眠った。寝過ぎた。
起き出して水を飲みながら玄関に目をやると、ついさっき買ってきたスニーカーと、ぼろぼろのスニーカーがあった。そうか、もう交代だ。前の職場で履いていたときからなのでかなり長く履いていた(うちしばらくは緊急事態宣言などで外に出る機会もなかったが)、しかも前の仕事は毎日駆け回るタイプの仕事だったので負荷のかかり方が尋常でなかったはずの無印のスニーカーを手に取って、潰れてしまったかかとを痛ましく思いつつ、ゴミ袋に捨てた。今までありがとう。
転職して、引っ越してきてから1年が経った。
経ったんだなあ、と思った。
今年は、このスニーカーで岩場や山や海岸をゴリゴリ歩けるようになるといいな。
