いもいもなにいも

おいものなんでもない日

大興奮スターリールーム

 

星とか月とかを見るのが、実はかなり好きだ。

好きだけどそんなに詳しいわけではない。小さな頃は今よりも更に活字中毒であったので子供向けの図鑑は背が平らになるほど読んだけれど、美しい写真と気が遠くなるスケールの文章に夢中だっただけで、どの星がなにで、みたいなのはあんまり覚えなかった。父が元天文部だったこともありよく星空を見ながらあれこれ教えてくれたけど、見えない線をつなぐようなことが得意ではなかったので、その知識を自分のものにすることもなかった。

でも、そうやって図鑑をみたり、父の話を聞きながら星空を眺めたり、科学館のプラネタリウムで星の見つけかたを聞くのは好きだった。ほんとうにメジャーで単純ないくつかの星座だけは、24歳の今になってもなんとなく見つけることができる。

が、そういう「図」としての星空を楽しむよりも、ピンホールのような小さな光の一粒一粒が、何百万光年もかなたに浮かび、地球の何倍もの大きさで燃えさかったり凍ったりしているということに思いを馳せていることのほうが多い。

 

「じつに230万年前に宇宙に解き放たれた光子が今晩、あなたの網膜を刺激するのです。」(アンドロメダ銀河について)

   縣秀彦(学研,2017年)『星空の見方がわかる本』p.79)

 

こういうことがものすごく愛おしく感じる。全てが偶然の産物で、たまたま光ってみえて、たまたまそれをきれいだと感じて、物語にしたり絵にしたりする。何千年もかけて正体を探っても、宇宙のはしっこにはたどり着かない。

…とまあ私の星への愛のかたちはおいておいて、何を隠そう、私の部屋にホームプラネタリウムがやってきたのである!!そう、これは自慢です。

 

数日前、ずっと欲しかったHOME STAR classic(私は日本科学未来館プラネタリウムメガスターの映す星空がめちゃくちゃ好きなので監修が大平貫之氏ときいてから本当にずっと欲しかったが諭吉をポンと出せるほどの踏ん切りもついていなかった)がAmazonプライムデーでセール価格になると知り、ウォッチリストに入れておいたにもかかわらず開始数十分で予定数終了。往生際わるく再度検索をかけると、先程のセール価格より多少お高くはなるがまだ定価よりぐっと安い。これはどうしたものか……と悩み、ちょうどLINEをしていたエリートに相談したところ、「(私の)誕生日プレゼントにしよう」。

神さまかと思った。

遠慮とかかなぐり捨てて「いいの!?」って言った。

 

そして今日届いたそれを、ドキドキしながら開封。(ちょっとしたサプライズがあり一旦別の浮かれが挿入)ーー説明書を一読。原板をセット。スイッチオン。部屋の電気をオフ。ぼやけているのでピントを調整。

きゅっと引き締まった点を確認し、ベッドに横たわる。灯り代わりのスマホの画面をオフ。

………星空だ!!私の部屋に星空がある!!

電気のシーリングのところに投影される部分はどうしても歪んでしまうけれど、そんなこと言ってる場合じゃない。大昔工作で作ったピンホールプラネタリウムなんて目じゃない。裸眼で眺めてそのまま眠りにつくには私の視力が悪すぎるのがほんとうに残念だけど、そんなことマイナスにもならない。

ひとりじめの星空がある。それがこんなにも幸福なことだとは!

 

今も天井に天の川をたたえながらこれを書いています。

エモーショナルが爆発したのでブログにしました。

でもマジでいいのでボーナス余ってて星が好き(プラネタリウムが好き)で六畳くらいの天井がある諸君は買って損しません。オススメします。天下のセガトイズから出ています。廉価版もある(お風呂用のは実家にある)けどコスパは絶対これだと思う……。

でもこれを親しい人から「プレゼント」として受け取ったことが嬉しさに拍車をかけまくっているのは間違いないので、私ほど興奮できなくても勘弁してください。プライスレスな部分はね、しょうがないね。

でもほんっっときれいだから!!!!

 

…さて、私はこれから追加でお願いした「南半球の星空」原板をセットしてみなみじゅうじ座をガン見してきます。

ひとりきりで、自分の目でほんもののサザンクロスを見た17歳の夏(冬?)のはなしはまたいつか。書きたい。自分が。

 

数万年後には、ポラリスでなくベガが"北極星"になるそうですよ。

そんなことまでわかるのか、現代……。