もともとそんなに出かけるのが好きなわけではない。旅行が楽しいと思えるようになったのは大学生になってからだ。散歩は元々好きだったけど、行き先はだいたい決まってくるし。散歩と旅行が結びついていなかった。
去年思いつきで行ったひとり旅がすごく良かったので、たまたま人員調整で1月消化の有休を振られて連休ができたところでまた出かけることにした。今回は完全に初めての場所。(前回は人と行ったことのある場所)
思いついたのは先週、具体化したのはおととい、行き先を決めたのは20分前。行くのは60時間後。ホテルはもうとった。
よくひとに「生き急いでるなあ」と軽口を叩くけど、私のこれはまた別の方向に極端だなと思う。
大昔、一人で行った一カ月足らずのプチ留学がマジで人生観を変えているところがある。こう書くとめちゃくちゃ安っぽくてイヤなんだけど実際そうだから仕方ない。言葉がどうとか世界がどうとか言うつもりはないけど、「全然知らない景色めちゃくちゃある」「一人でどこへでも行ける」という当たり前の気付きは、17歳の小娘の胸を打つのにはじゅうぶんだった。ステイ先に帰る途中のひらけた道でみた夕焼けをいつまでも鮮明に覚えている。(こんな漫画みたいな心の洗われかたが本当にあるのか)と思ったことも。
バス壊れたり帰国時にスーツケース大破したり(※こないだ人に「スーツケース貸そうか？」と申し出て「大破したやつ？」と言われて思い出した)いろいろあったけどね。
井の中の蛙が地球を知った感じといいますか、その外にまだ宇宙があるわけなんだけど、知識はあってもその実感はまだない……なんの話だ………。
一人で行く旅行は冒険というよりは散策に近いかな。なるべく心をエキサイトさせずそこに住んでるのを想像したりしてしみじみ楽しむのが好き。でも人と行くときは大冒険したい。どっちも好き。今の私は旅行が好き。
候補にしてた他の場所はまた今度行こうと思います。今年はいろんなところへ行きたい。うれしいお呼ばれの予定もひとつあるし。
今から楽しくなってきた。しかも旅行の前日は同期と瓦を割りに行く。最高か。
明日一日で片付けなきゃいけない重めの仕事が憂鬱だけど、何はともあれ明後日にはどうにかなっている。
いつのまにか、あの夕焼けから7年半経っている。
