いもいもなにいも

おいものなんでもない日

空から落ちる水

 

雨音で目を覚ました。きょうは絶対に本屋とヒトカラにいくぞ……と心に決めていたので比較的すぐに体を起こしたものの、気圧の低下によるだるさがひどく、結局外に出られたのは昼過ぎだった。ていうかソシャゲのイベントのボス戦(耐久)やってた。無事に勝ててよかった。

 

先日新しく買った傘をさしてちょっと遠回りして本屋へ。目当ての漫画をひょいひょい買って、フードコートで昼食をとろうと地下に降りると、フリーの席は満杯だった。心なしか、自分たちがここにたむろしていた頃よりもお年寄りの利用が多い気がする。あの頃はほぼ近くの大学生か、自分たちと同じ高校の生徒ばかりだったように思うけど(時間帯もあるとは思う)。

 

昼食をすませていざヒトカラだ!!!!三時間くらいいったろ!!!!と気合入れてカラオケに入り、「次にご案内できるのが一時間後で…」「あっじゃあ大丈夫です」即退店。

敗北。

受験終わった高校生たちだろうな………わかる………私も本命の受験(判定無理めだったし努力はしたけど受験期自暴自棄だったし手ごたえは最悪だったし結局落ちた)(グレて受験自体放棄しなかっただけマシだと今は思う)が終わったその日に同じ学校受けた(ちゃんと努力してきちんと受かったけど同じようにちゃんと努力してきちんと受かった別のとこ行った)某エリートとカラオケ行って、というか付き合わせて、まんまと風邪悪化させたわ………と勝手にエモくなった。どういう経緯だったか覚えてないけど、たぶん私がなんか死にそうな顔してたんだと思う。

その頃実家も地獄真っ只中だったし、もうとにかく全部うまくいかなくて、うまくいってたこともあったはずなのにそうとは思えなくて、ずーっと情緒が不安定で、受験期は常に頭に靄がかかったようでもともとそんなよくない頭の吸収力が更に下がって、焦って、………そんな勢いのまま大学生になって、そばにいてくれた人たちは気にかけてくれていたのにやり過ごすだけで特にケアもせず、間に合わず、20歳の夏に全部壊れた。壊したのかもしれない。力ずくであそこから抜け出す以外に生き延びる方法は無いと思った。結果、うまくいった。今でも振り子のようにダメになることはあるけど。

あそこからここまで来たんだな、と帰り道に寄ったスーパーでゲットした二個増量の卵を冷蔵庫にしまいながら思った。ひとりでここまで来たわけじゃない。青ざめた顔して立ち尽くしてるような私を温かい椅子に座らせて、そのまま何気ない話をしていてくれるような人たちがそれぞれの場所にいたのだ。今も。

 

誠実でいさえすれば人生割となんとかなるし、あそこで情をかけて実家に戻ったりなんかしていたらひょいっと死んでたかもしれない。別に悪人がいるわけではないんだけど………どうなんだろうな、家庭というものを外から見ても仕方ないし、私にはたぶんその正解がわからない。週末のたびに皿が宙を飛びまくりその破片を一切関係ない末娘が片付ける家はやっぱちょっとおかしいだろとは思うけど。尖ってたなー。これ以上は恨み節がきつくなるのでやめます。

 

普段考えないようにしてるところまで潜ってしまったけど不思議と穏やかな気持ち。低気圧で引っ張られるような頭痛と吐き気がすごいけど。人間は所詮ほぼ水。

 

私がここで何度も言及して絶賛しているホームプラネタリウムが職場でちょっとピックアップされていて謎の鼻の高さがある。

星が映る天井の下で1人なにも怯えず耳を塞ぐ必要も耳をそばだてて危険を回避する必要もなく眠ることができる。

なにげない幸福。