いもいもなにいも

おいものなんでもない日

置き去りの栞

あっという間に薄手のコートで足りないくらいの寒さになった。この画面を開くのがこんなにひさびさになるとは。なにしろ、トピックがない。

 

外に出る機会が少ないとランダムエンカウントのイベントが激減するし、「このくらいの感染人数だったらどうだろうか…」などとどうしようもない足踏みをしているうちに、まる一年近く会っていない人ばかりになってしまった。同じ都内に住む祖父母にも、2月の引越し以来会っていない。一日100人で慄いていたあの頃、ほんとうはあの感覚のままでいたほうが安全なのだろうけど。そのままでいたら、いまのぎゅうぎゅうの通勤電車に乗って正気ではいられなかっただろう。

 

転職して迎える初の年末年始、びっくりするほど長い休みが存在しているのだが、どこへ行くこともきっとできないまま積んでるゲームを夜通しプレイしたり漫画を一気読みしたりすることになる気がする。

いっそこんなことがないと、「せっかくどこでも行ける時間があるのに」と思って無駄にやきもきしてしまうので、これはこれでいいのかもしれない。

年々本を読む速度、ゲームを続ける集中力が衰えていく実感がある。それがたまらなく怖い。寝食を忘れるほど物語に没頭する、あのうねり、あの渇き、あの感覚を置いていくのが、おそろしい。「未来のことも考えず、そんなことをしている場合か」と、どこかからか聞こえてくるような。生き急ぎ方のクセが強い。

結局Twitter対岸の火事を眺めて時間を浪費するようなことしかしていないのだから、さらにはそれで気分を害するようなことばかりなのだから、物語を摂取したほうがいくぶんか栄養になるだろうに。未来のことなんか考えたって、私のことだ、悪い想像にしかならない。

この間、プロセスチーズを模したしおりを買ったので、"読みかけの本"を発生させるのが楽しみになった。休みに入ったら、まず何から読もうかな。