いもいもなにいも

おいものなんでもない日

くるみ割り人形

・食いしばりしすぎて歯に薄く縦ヒビが入っているらしい。4本。4本!?

昔から気を抜くと身体が勝手に緊張状態になりがちで(つまり気を抜けていないのだが)、肩が上がりがちだったり爪先が床に垂直についていたりする。いちばんひどいのが噛み癖。食いしばり、なんかどっか自分の体を噛んでる、などなど。どれも大人になってそれぞれ薄〜く、噛み癖にいたっては完全に無くなってきたと思っていた(本当に月経痛がヤバくて行き場のない怒りと痛みで気が狂いそうなときだけ腕の内側噛んで耐えたりしてる。絶対タオルとかの方がいいけど頭が回らない。)が、食いしばりだけは人からあんまりわからないので指摘されてハッとすることも少なく、ここまできてしまった。自然にしてくださいね〜って言われて正面向いてすまし顔するじゃないですか。その時歯が噛み合わさってちゃダメなんだって。マジで?…ほら今も奥歯ががっちり。

意識してみてよくならなかったら寝てる間用のマウスピース作った方がいいですね〜って言われてしまったので意識を頑張っている。意識すると、寝ても起きてもめちゃくちゃ歯を噛み締めていることに気づく。意識し疲れた……。奥歯に毒なんか仕込もうもんなら瞬く間にあの世である。スパイじゃなくてよかった。

なんで噛み締めちゃうの?と言われても、たぶん、苦痛が和らぐから……としか言えない。癖だし。意識してみる前からああ食いしばってるなと気付いていたタイミングは、身体のどこかが痛い時、仕事でなんか面倒な構造の英文を分解して修正する必要がある時、笑いたくないのに笑顔をキープしてる時、悲しいことを思い出して呑まれないように心の波が凪ぐのを待っている時、眠れないでいる時。要は、耐えている時だ。歯ぁ食いしばって耐えな!みたいなやつは、殴られて舌を噛まないようにというだけではなかったようだ。歯を食いしばらないとこの世を耐えられないような強度で29年近くよく生きてきたもんだよな。

マウスピースすりゃあいいじゃんと思うかもしれないが、ただでさえ慢性的に不眠なのに悪化しそうで嫌なのと、寝れたとして口を開ける方にシフトしたらこんどは腫れやすい扁桃腺がやられて高熱エンドが目に見えている。嫌だ。

だから常に自決用の毒を仕込んでいるような気持ちで食いしばりを我慢しなければならない。こういう心持ちがもう食いしばりのモトな気はしている。食いしばってりゃすすり泣いてもそんなに声は漏れないんだよ。こうやって生きてきたんだもんなあ。でも親知らず4本抜いて(来月ついに最後の1本を抜くのだ)、そんであと4本歯軋りでダメにしたらもうぐちゃぐちゃだよ。まだ20代だぞ。歯磨きは褒められるのに。あーあ。

 

・あーあ、なのである。気分が。

週末友人らと会って遊んで(メリーゴーラウンドに乗ったりしたレベルの"遊び"だ)、しっかり発散したと思ってもこれである。ホルモン的に仕方ないところはあるが。あと気候もね。友人らはマジで私を浮世につなぎ止める楔なのでありがてえなあ。浮世つらいけどきみたちがいるならビームで滅ぼさないでおいてあげる。

 

・ここには、というか、残るかたちではとうていどこにも書けないような、聞き手を選んでもいつまでも話せないような、そんな鬱屈が渦巻いてまた奥歯が疼く。贅沢な悩み、単純な解決策、お前が勇気を出すだけ、甘えるな、やってみないとわからない、もう見切りをつけろ、若いんだから、いい歳をして、エトセトラエトセトラ。まだ言われてもいない、でも別のさまざまな局面で散々外野に言われてきた言葉がわたしの喉を食い破り舌を食いちぎる。何も言えなくなる。

何も言わなければ、誰も何も知らない。

私はテレパシーを送ることも受けることもできない。私の都合など誰も知らない、私も、言われていない都合などひとつも慮れない。明るくなってみたり暗くなってみたり、古ぼけた電球と同じくらい鬱陶しい。

いっそ、割ってしまおうか。ガラスの後始末なら慣れているし。慣れているだけで、やりたくてやったことなんか一度もないけど。

 

・あーほらまた歯がくっついていますよ。マウスピースに五千円かけるならアサコイワヤナギのたっっけえパフェが食べたいよ!!!あたしゃ!!!!!!!

 

・あしたは桜もまだ咲かないくらいのころの気温になるらしい。嫌になっちゃうね。